床ずれ薬からの転用

 

歯周組織再生材の開発に関わっていたある大学教授はこう語りました。

「この歯周組織再生材のおもな成分は人間の体内にあるタンパク質を人工的に生産したもの」

これは再生医療等で多く使われているもので、幼い豚の歯のもとになる組織から抽出るようです。

この抽出されたあるタンパク質は、体の中で傷を治すときなどに放出される特別な成長因子の一つだと言われています。

 

数十年前から、再生医療にこのタンパク質が使えないかと注目されたようです。

しかし、当初は歯の治療には用いられず床ずれなどの皮膚の治療に研究されていたようです。しかし、その後に骨の再生にも効果があることが知られてきたため、歯周組織の再生にも効果があるのではないかと思われはじめました。このタンパク質には骨の細胞や線維芽細胞、セメント芽細胞などの組織を活性化して、骨や結合組織、セメント質の再生を促す働きがあることが知られています。

細胞が増えていくように支援するだけでなく、様々な新しい血管を回復し、破壊された歯周組織へと栄養を送り込む効果も期待されています。そのため、より早く再生させる力もあると思います。しかし国内では開発の前例がない薬剤なので、かなりの期間に渡って歯周組織再生剤としての安全性と有効性をじっくりと確認されてきたようです。国内各地の歯科大学病院などで実施された大規模な臨床治験によると、投与後一定期間での歯槽骨の回復の度合いはかつての治療よりも大幅に改善されたようです。

しかし、開発に関わっていた大学教授は、「再生療法で重要なのは単にレントゲン画像で骨が増えていることだけではない。再生治療後に患者さんの歯が長期にわたって健全な状態で使えているかどうかだ」と指摘します。

期間の限られる臨床試験ではレントゲン撮影だけでは判断できない部分で完全に回復していないことがあるのでしょう。そういった、僅かな期間の回復だけでなく、一生に渡って健全な状態でいられる再生治療が望まれるように思います。

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