歯ブラシの毛

歯ブラシの毛は近代まで天然毛でしたが、現代ではナイロン毛が大半を占めています。ナイロン毛の製造工程は糸を作ることから始まります。原料を溶融させて小さい金口から押し出し、それを冷やして細い糸にするのです。糸は適当な長さで裁断して用います。原料のナイロンにも種類があり、初期の歯ブラシに使われていたナイロンは現在原料にはなっていません。ナイロンの進化は凄まじく、撥水性と耐久性はどんどん高まっています。最近はナイロンの代わりにポリエステルやポリプチレンテレフタレートの加工品が原料として使用されることもあります。ごく稀に天然毛が使われた歯ブラシも出回りますが、そのほとんどが輸入品です。天然毛は高い割には機能性が低く、大量生産するのに見合わないのです。因みに動物の毛の場合、消毒してから使用されます。さて、柄と毛が揃えば、いよいよそれを組み立てて歯ブラシを製造するわけですが、歯ブラシの製造法は平線植毛と呼ばれる手法がほとんどです。平線とは植毛の際に用いる道具のことで、真鍮を切って植毛部の穴に宛がいます。柄、毛、平線を専用の植毛機にセットすれば、自動的に植毛され、完成した歯ブラシが出来上がります。この植毛機は今でも進化を遂げており、コンピュータでコントロールできるようになっています。ドイツ製、ベルギー製の植毛機が世界中で活躍している一方、日本製の植毛機も広まりつつあります。植毛機の中は複雑な作業が実行されていますが、機械を操作する者もその全てを把握できていないのではないでしょうか。ナイロン毛を折った後、平線を差し込んで柄の穴に押し込みます。一つの穴に入る毛の数は様々ですが、硬い毛であれば10本前後、やわらかい毛であれば60本前後とされています。

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